春分点の移動の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 04:44 UTC 版)
一般的にヒッパルコスは、春分点(及び秋分点)が一年ごとに前へ進む現象(歳差)の発見者として認知されている。この発見は、紀元前146年から127年のこととされる。この現象についてヒッパルコスは、『至点及び分点の決定について』と『一年の長さについて』という二冊の本を著した。これらは二冊ともプトレマイオスの『アルマゲスト』で言及されている。 プトレマイオスによると、ヒッパルコスはスピカとレグルスをはじめとした明るい星々の経度を計測した。その計測記録が、チモカリスとアリスティルス(英語版)がヒッパルコスに先んじて計測した記録と異なっていたため、ヒッパルコスはスピカが相対角度で2°、秋分点の方に移動したと結論付けた。また、ヒッパルコスは、太陽年の長さ(太陽が春分点に戻ってくるまでにかかる時間の長さ)と、恒星年の長さ(太陽がある恒星の上に戻ってくるまでにかかる時間の長さ)との比較を行い、この二つが完全には一致しないことに気づいた。そうして春分点及び秋分点が黄道に沿って前進しており、その前進の割合は1世紀に少なくとも1°はあると結論付けたという。
※この「春分点の移動の発見」の解説は、「ヒッパルコス」の解説の一部です。
「春分点の移動の発見」を含む「ヒッパルコス」の記事については、「ヒッパルコス」の概要を参照ください。
- 春分点の移動の発見のページへのリンク