明石信道とは? わかりやすく解説

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明石信道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/12 08:52 UTC 版)

明石 信道(あかし しんどう[1]1901年7月 - 1986年)は昭和期に活動した日本の建築家早稲田大学名誉教授[2]

経歴

函館市青柳町生まれ[2]。生家は函館の名家堀川家で五男坊。同地の願乗寺川掘削し、函館発展に尽力した真言本願寺派僧侶・堀川乗経[3]は祖父、英国人地震学者ジョン・ミルンと結婚したトネ・ミルン伯母[4]

新川小学校を経て道立函館中学校(現・北海道函館中部高等学校)を卒業後に上京[4]。23歳の時に母方の名跡で松前藩重臣であった旧家明石家の養子となって家を継ぎ明石姓となる[4]。その後トネのアドバイスにより、信道は早稲田大学理工学部建築科に進学。1928年に卒業[4]

在学中に新宿の映画館・武蔵野館のオーナーの依頼を受け、設計を担当。その後、建築設計事務所を自営。ただし世界恐慌の影響もあってか鳴かず飛ばずだったため、1931年(昭和6年)夏に函館に帰郷し、その際棒二荻野呉服店の社長である荻野清六に頼り、3年後の1934年に棒二森屋百貨店の設計を委託される。棒二荻野はその後洋品店「金森森屋」と1936年(昭和11年)に合併、若松町に進出し、1935年に建物を竣工させ、その後店舗の規模拡張のから1957年9月に竣工させた建物北側別館の設計も担当し、46年もの長きにわたり棒二森屋の建築に携わっていく[4]

1940年、早稲田大学専門部工科講師。後に助教授。1945年、早稲田大学専門部工科教授を務め、1952年に早稲田大学理工学部教授。1972年、同大を定年退職、名誉教授[2]。明石信道研究室出身の建築家には相田武文がいる[5]

フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテル建替え(1967年)にあたり実測調査を行い[6]、『旧帝国ホテルの実証的研究』をまとめた。これにより、日本建築学会賞受賞。

作品

著作

  • 旧帝国ホテルの実証的研究(東光堂書店、1972年)[12]

参考文献

  • 明石信道作品集、「明石信道作品集」刊行委員会編集、新建築社、1989年

脚注

  1. ^ aida_retpc (2024年5月23日). “建築散歩!No.38「安与ビル」~マスターと共に歩む、街歩きを兼ねた建築物の探訪~”. 不動産フォーラム21Web. 2025年2月20日閲覧。
  2. ^ a b c 『フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル』著書の巻末
  3. ^ 堀川乗経』 - コトバンク
  4. ^ a b c d e 明石信道〜函館ゆかりの人物伝 - 函館市文化・スポーツ振興財団”. www.zaidan-hakodate.com. 2025年2月20日閲覧。
  5. ^ a b c d e 建築家明石信道の作品にみる「地縁的建築」の考察 - 新宿駅周辺の 4 つの作品分析を通して -
  6. ^ 旧帝国ホテルの解体から移築に関する研究 ( その1) ―早稲田大学明石信道研究室による解体時調査について―
  7. ^ 『建築写真類聚 東都映画館建築』第9期第2輯(洪洋社、1928年)。
  8. ^ <デスクの道南建築散歩>③棒二森屋(函館市若松町) 明石の故郷愛宿るランドマーク:北海道新聞デジタル”. 北海道新聞デジタル. 2025年2月21日閲覧。
  9. ^ 安与ビル | BEST ARCHITECTURE”. Casa BRUTUS. 2025年2月20日閲覧。
  10. ^ “東京・新宿駅から一瞬で別世界にワープ。和とモダンが融合した空間 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and”] (日本語). 朝日新聞デジタルマガジン&[and]. https://www.asahi.com/and/article/20200309/401229660/ 2025年2月20日閲覧。 
  11. ^ 『実用建設名鑑 1971年度版』(日刊建設通信新社、1970年)p495。
  12. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション[1](ログイン必要)。

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