早乙女の股間もみどり透きとほる
作 者 |
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季 語 |
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季 節 |
夏 |
出 典 |
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前 書 |
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評 言 |
初夏のキラキラ輝く光の中、水をいっぱいに張った田へ、苗代より移された苗を家族全員で植える田植時の忙しさ。昔は学校さえも「田植え」でお休みがありました。(今もあるのでしょうか?) 今は田植も機械に取って代わられている所が大部分ですが、山間はまだまだ人手の田植えのようです。 苗代で育てられた苗はまだ初々しく、手に触れる柔らかさは今こうして植えている娘の初々しさであり、娘らの柔らかな身体より繰り出される苗は田ごとにみどりを生み出していくのです。 娘らは、はちきれそうな足を恥ずかしげも無く大気にひけらかし大地をしっかりと掴んでいます。 狭い「股間」の空間から、広い「みどり」の空間を見る小から大への展開と、早乙女の透明感、生命力、労働賛歌に対比する作者の老いへの自覚が感じられる一句です。 |
評 者 |
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備 考 |
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