日本における流伝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 15:15 UTC 版)
桂男の伝説は早い時期から日本にも伝わっており、平安時代の私撰集『拾遺抄』にも「久かたの月の桂もをるばかり家の風をもふかせてしがな」という歌がある。月と桂(かつら)は古くから文学上でも結びつけられており、『万葉集』では「目には見て手には取らえぬ月の内の桂のごとき妹をいかにせむ」と詠まれている。 『伊勢物語』の中では、後に中宮となる藤原徳子と恋をした美男として知られる在原業平に比される主人公に対し、『万葉集』の歌を踏まえて、月の桂のように余人が触れてはならぬ人に通じた男という含みを持たせて「桂男の君のような」という表現を行って以来、日本文学において「桂男」は単に美男のことも指すようにもなった。
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