新布石の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 01:08 UTC 版)
新布石の創始者となった二人だが、どちらかといえば木谷は中央の勢力を重視、呉は速度を重視という違いはあった。三連星、5の五、天元といった斬新なスタイルを打ち出し、当初は手法の未成熟から失敗もあったものの、新しい試みは囲碁界に大きな新風を送り込んだといえる。新布石は廃れた後もその考え方自体はその後の布石の考え方に取り込まれ、バランスの取れた現代布石へと昇華していった。後の武宮正樹による宇宙流布石などは、現代版新布石ともいえる。 新布石自体は必ずしも従来の布石を覆し、凌駕するものであったとはいえない。この時代の本因坊門下の棋士が語った「あの布石で負けたというよりも、木谷さん・呉さんが強いのですよ」という発言が、新布石の評価として最も妥当だともいえる。しかしその囲碁史に占める位置は極めて重く、現代にまでその構想は生きているともいえるであろう。
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