新しい貿易の利益
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 07:45 UTC 版)
メリッツ・モデルは、開放経済への移行によって資源(労働)が生産性の低い企業から高い企業に再配分されることを予測する。この産業内資源再配分によって産業全体の生産性が改善する経路は、新しい貿易の利益の源泉として注目を浴びた。実際、北米自由貿易協定(NAFTA)によってカナダでの輸入が増加したことで、輸出をしていない企業の退出が促進され、産業の総生産性が上昇したことが示されている。 イェール大学のコスタス・アルコラキスらは、異質的企業の貿易モデルでは、 貿易の利益 = ( λ ′ λ ) − 1 / θ {\displaystyle =\left({\frac {\lambda ^{\prime }}{\lambda }}\right)^{-1/\theta }} の式で貿易の利益を計測できることを示した。ただし、 λ {\displaystyle \lambda } は閉鎖経済における国内財への支出比率、 λ ′ {\displaystyle \lambda ^{\prime }} は開放経済における国内財への支出比率である。 θ {\displaystyle \theta } は企業生産性の分布であるパレート分布関数のパラメーターである。
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