断熱の部位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 01:28 UTC 版)
建築分野では、断熱材を躯体の内側に設けるか、外側に設けるかによって内断熱、外断熱に区別される。かつては、風雨に対して対抗性の強い断熱材が無かったため、内断熱が常識だったが、外断熱にすると構造体も外気の急激な温度変化から保護されることになり、金属製構造体の結露を回避することが出来るメリットがある。また躯体によって断熱材が分断されないというメリットもあるため断熱欠損の面でも有利となる。しかし、逆に考えると、外断熱は構造体まで暖め(冷やさ)なくては室内環境を快適に出来ないという弱点もある。そのため、内断熱と外断熱は一長一短があり、建物用途によって使い分けるべきものである。また、高層建築物においては断熱材の剥離などに配慮する必要がある。表面結露を抑えるために断熱を行うことがあるが、断熱による内外の温度差から空気中の水分が断熱材表面で内部結露しやすくなる。これを防ぐためには防湿層を断熱材より内側に丁寧に施工することが必要である。内部結露を起こしたり、水にぬれた場合の劣化を防ぐために防水加工された断熱材が使われることもある。防湿層は断熱材の暖かい側に付加するのが普通である。すなわち、暖房された家の場合は防湿層は暖かい内部と断熱材の間に入れられる。また暑い気候の地域でのエアコン付きの家では防湿層が外部にあり、その内側に断熱材がある。
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