文末表現など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/23 14:01 UTC 版)
特徴としては、待遇表現や丁寧な文末表現があること、一人称に「おら」をあまり用いないことなどがある(昭和初期までは使っていたようである) 下北弁の特徴に敬語表現がある。もてなしの表現には段階があり、昭和期のむつ市の田名辺や大畑では、敬意の度合いが低い「来せ」と、より丁寧な「来さいん」、最も丁寧な「来さまい・来さまえ」の3段階となっていて、川内・脇野沢・佐井・大間などでは「来せ」と「来さいん」の2段階であった。 丁寧な表現として、「そうですね」など相づちを打つときに使う「ほんだにし」という言葉がある。語尾に使われる「にし/にす」は弘前市周辺で使われる津軽弁の「ねす/ねし」の変形で、野辺地町以北で使う。下北西部の佐井村、脇野沢村方面では「ぬす/ぬし」が用いられる。「にし」は疑問形でも用いられ、「どうでしょうか」というときに「どうだべがにし」というように使われる。 「私」を意味する言葉に「わい」「わら」がある。これは下北弁の大きな特徴である。会話の中で頻繁に用いられる一人称が、上北・三八地方の南部弁、津軽弁と異なるということは、特筆すべきことである。「わい」は男女問わず使い、「わら」は女性が使う。東北地方の方言で広域分布する「おら」「おれ(方言としての)」はほとんど用いない。 「私のところの」を意味する言葉に「わいほの」「わほの」「うぇほの」「いの」「えの」がある。南部弁(上北・三八地方)の「おらえの」、津軽弁の「おらほの」のような「おら」を用いた表現はほとんど下北弁ではみられない。
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