文字の種類による方向の決定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 08:12 UTC 版)
「双方向テキスト」の記事における「文字の種類による方向の決定」の解説
ラテン文字や漢字、かななどは既定で左横書きの文字、アラビア文字やヘブライ文字などは右横書きの文字である。両者を混在させた場合(以下の例ではわかりやすくするためラテン文字を右から左に書く文字として扱う)、左横書きの段落で「いろは ABC にほへ DEF とちり」は、 いろは CBA にほへ FED とちり のように表示される。すなわち、右から左へ書く文字の部分だけが逆順に表示され、それ以外の部分は右方向へ進む。 しかし、右横書きの中に数字列があらわれる場合は、異なる処理が必要となる。例として「いろは ABC 123 DEF にほへ」は、 いろは FED 123 CBA にほへ のように表示される。すなわち「123」は左から右へ表示されるが、「123」全体は先行する文字列の左に置かれ、「123」に後続する文字列もその左に書かれる。このような処理をする必要のある文字を「弱い左横書きの文字」という。弱い文字には、アラビア数字、インド数字、および数字につなげて書かれる単位(°、通貨記号)などがある。これに対して、上記のラテン文字・漢字・かななどは強い左横書きの文字、アラビア文字・ヘブライ文字などは強い右横書きの文字である。 Unicode ではアラビア文字とヘブライ文字の後ろで弱い文字の処理のしかたが異なり、「120%」を前者は「%120」のように表示するが、後者は「120%」のままになる。 スペースや記号類の多くは方向性を持たない中立の文字で、先行する文字が左から右の場合にはその右に、右から左の場合にはその左に書かれる。 現実には、このような文字の種類による暗黙の方向性だけではうまく処理できない場合があるため、明示的に方向を指定するための別の方法(タグづけや制御記号など)を併用する必要がある。
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