文化概念としての天皇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 21:29 UTC 版)
文化概念としての天皇は、〈菊と刀〉を包括した日本文化全体の「時間的連続性と空間的連続性の座標軸」(中心)であり、「国と民族の非分離の象徴」である。〈みやび〉の文化は、危機や非常時には「テロリズムの形態」さえ取る。孝明天皇の大御心に応えて起った桜田門外の変の義士はその例であり、天皇のための蹶起は、文化様式に背反せぬ限り、容認されるべきであったが、西洋的立憲君主政体に固着した昭和の天皇制は、二・二六事件の「みやび」を理解する力を喪っていた。よって文化概念としての天皇は、国家権力の側だけではなく、「無秩序」の側に立つこともある。もしも権力の側が「国と民族を分離」せしめようとするならば、それを回復するための「変革の原理」ともなるのである。
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