放線胞子期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/08 21:19 UTC 版)
粘液胞子は環形動物の消化管で極糸を放出し、殻が開いて胞子原形質が上皮細胞に侵入する。胞子原形質は核が2つとも有糸分裂を繰り返して多核体になり、多分裂により多数の単核の細胞を生じ、これを繰り返す。 その後2細胞が融合して有糸分裂を経て4核の細胞が生じ、これが4細胞からなるパンスポロシストになる。2細胞は外側を覆う体細胞、残りの2細胞は生殖細胞でここでは仮にα・βと呼ぶことにする。生殖細胞は3回分裂して合計16個の配偶子細胞を生じ、これがさらに減数分裂を行って極体を放出する。その後α由来の配偶子細胞とβ由来の配偶子細胞が接合して8つの接合子が生じる。少なくとも M. cerebralis の場合、これが生活環中で見られる唯一の有性生殖である。この間に外側の体細胞は2回分裂するので、最終的にパンスポロシストは8つの接合子を8つの体細胞が包んでいる形になる。 それぞれの接合子は2回分裂して4細胞になり、このうち3つは1回分裂して極嚢細胞と殻細胞とになり、残った1細胞は何回も細胞分裂を繰り返して胞子原形質になる。極嚢細胞と胞子原形質が殻に包まれると放線胞子が完成する。放線胞子は感染後90日程度で生じ、環境中ではおよそ2週間程度の寿命を持っていると考えられている。
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