掛出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/13 01:43 UTC 版)
内田, 安部 & 伊藤 (2014)は「掛出」の役割について、地域住民の組織である木綿街道振興会の協力を得て調査を行った。掛出には地域住民で共有されていたものと私有のものの2種類が存在し、それぞれの特徴が存在した。 共有の掛出は通りと小道を介して接続されており、その小道は「岡屋」という木綿問屋に近しい場所のものには「岡屋小路」、油を扱う店舗に近しいものには「油屋小路」と、それに面する大店の名称が用いられていたものが多いとした。これらの共有の掛出は店舗の蔵と川を接続する用途のみならず、地域住民の洗い場としても活用されていたとした:87。 私有の掛出については、専らそれの所有者の利益のために使用されたが、維持管理も所有者の負担となっていた。そのため水運が衰退した現在では埋め立てが行われてしまっている場合がある。共有のものと比較して「うす庭」と呼称される土間空間が存在することもあり、時代の変遷によりうす庭と掛出の用途が変化しつつも生活空間の一部として使用されている:88。
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