抵抗性種の植栽・開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 00:24 UTC 版)
抵抗性の種を植えることも有効。日本産のクリ(Castanea crenata)は胴枯病には比較的強いと言われるが、品種によってはやや弱いものがある。胴枯病の被害が酷いアメリカでは胴枯病に強い遺伝子をアメリカグリ(C. dentata)に組み込むために、アジア産のクリと交配させることも行われている。1950年代植物学者のダンスタン博士(Dr. Robert T. Dunstan)がシナグリ(C. mollisima)とアメリカグリを交配して生み出された抵抗性雑種はDunstan chestnut(ダンスタンの栗)と呼ばれる。この雑種は遺伝子の半分がアジア産のクリであるが、最近では雑種に対してアメリカグリと戻し交配を行うことで抵抗性を持ちつつも、極力アメリカグリの遺伝子を残した雑種が生み出されている。交配で遺伝子を組み込むのではなく、遺伝子組み換え技術によって効率的に耐性遺伝子を組み込むという研究も行われている。例えばコムギの持つシュウ酸耐性遺伝子をアメリカグリに組み込む研究に着手するということなどが報道されている。
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