手術手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/20 17:55 UTC 版)
移植に先立って、患者の造血組織および腫瘍化した細胞を根絶するため、致死量を超える大量の抗がん剤投与および放射線照射が行われる。これを前処置といい、患者の造血機能を完全に破壊する為、その後必ず移植を行わないと患者は死亡してしまう。その上で、ドナーの骨髄液(造血幹細胞)を静脈から注入する。 移植といっても、外科手術的操作は行わない。順調にいけば2週間ほどで輸注したドナーの造血幹細胞が生着し正常な血液を造り出すようになる。重度のGVHD(移植片対宿主病)が起これば生命に関わるが、適度であれば残存する腫瘍細胞をも攻撃し再発の可能性は低くなるので、免疫抑制の加減が重要である。全てが順調であれば移植後3ヶ月ほどで退院可能となる。が、移植自体が成功しても、病気の再発、または合併症で生命の危険にさらされる場合も多い。また、現在では患者の造血機能を完全に破壊しなくてもドナーの造血幹細胞が拒絶されないだけの免疫抑制をかければ移植された造血幹細胞は生着することが分かってきたので、いわゆる「ミニ移植」も行われるようになり、従来移植適応ではなかった患者にも移植が行われるようになってきている。
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