成長因子とサイトカイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 14:57 UTC 版)
成長因子とサイトカインという用語は、しばしば同義語のように扱われるが発見の経緯が異なる。このため、成長因子や増殖因子という語には増殖を促進するという意味を含むが、サイトカインはそのような意味を含まない。 サイトカイン: 造血系や免疫系での体液を介した細胞間情報伝達の実体として明らかにされた。 成長因子: 固形組織の研究から明らかにされた。 しかし、造血系・免疫系のタンパク質が他の組織で、あるいは発生過程で用いられている例も明らかになっている。 成長因子の中には、サイトカイン、またはホルモンとして扱われるものもあり、また細胞の増殖よりも分化・成熟を促進するものもある。アクチビンは当初、性周期に関与するペプチドホルモンとして知られたが、胚発生の過程で一種の細胞増殖・分化因子としても働くことが明らかになった。G-CSFやGM-CSFなどのサイトカインは成長因子でもあるが、細胞増殖に対して抑制的影響を与えるサイトカインもあるし、Fasリガンドのようにアポトーシス(細胞死)を引き起こすサイトカインさえある。神経成長因子(英語版)(Nerve growth factor:NGF)は増殖ではなく、神経細胞としての成長・成熟を促進する。エリスロポエチンは一種のサイトカインであるが、特定組織(腎臓)から分泌されて他の組織(骨髄)に影響を与えるのでホルモンとしても扱われる。
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