慣用句としての語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 05:46 UTC 版)
「鍔迫り合い」(つばぜりあい)という語がある。これは剣道等の試合で相手の刀を鐔元で受け止めたまま押し合うことから、「激しく勝敗を争う」という意味である。「鍔試合」ということもある。 ただし、真剣での戦闘においては鍔迫り合いはほとんど無かったと考えられている。昭和の剣聖といわれた中山博道は昭和12年刊『日本剣道と西洋剣技』において、「古来の真剣勝負において鍔迫り合いになった例は皆無と言っても過言ではない」という意味のことを述べている。 実戦では刀を持って相対しているからといって刀のみによる勝負をする必要はなく(要は、相手を倒せばよいのであるから)、鍔が合って相手が押せばこちらは引いて相手のバランスを崩し、また相手の腕をつかんで引き倒す帯剣格闘(ソードレスリング)に持っていくからである。現代にも継承されている古流剣術の流派には刀の扱い方に並列して組み合っての格闘や脚術(蹴りや足払い)を重視している流派も多く、実際の戦闘で延々と鍔迫り合いを行うような“一騎討ち”が行われた可能性は低い。
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