感電保護クラスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 感電保護クラスの意味・解説 

感電保護クラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/15 14:26 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

感電保護クラス(かんでんほごクラス)とは、電気機器の感電に対する保護の分類である。絶縁クラスとも呼ばれる。JIS C 9335-1[1]IEC-J60335-1[2]、IEC 60335-1[3])およびJIS C 8105-1[4](IEC-J60598-1[5]、IEC 60598-1[6])で規定されている[7]。クラス0、クラス0I、クラスI、クラスII、クラスIII に分類される。

なお、JIS C 9335-1はIEC 60335-1を元にしているが、技術的要求事項については日本国内の事情(例えば、電源周波数が50Hzと60Hzの二種類ある、三相電源はデルタ結線である、ランプソケットはE27ではなくE26が広く用いられている、など)に合わせた変更が加えられている。この変更内容についてはJIS C 9335-1 附属書JBにまとめられている。以下の記述はJISによる。

クラス0

感電に対する保護を基礎絶縁だけに依存している機器。基礎絶縁が破損した場合に、可触導電部分となる部分を接地する方法がないもの。機能用接地を持っている場合もある。

JISにおいては、クラス0は定格電圧が150Vを超えない屋内用の機器についてだけ認められる。なお、日本の家庭用電気器具の多くは接地極も接地用口出し線もない差込プラグを備えているため、クラス0機器にあたる。

クラス0I

少なくとも全体に基礎絶縁を使用しており、かつ接地用端子をもっているが、接地線がない電源コードおよび接地極がない差込プラグを使用している機器。接地極のない差込プラグに接地用口出し線を設けたコードセットを使用したものはクラス0I機器とみなされる。

接地線が接続された状態であれば感電保護は後述のクラスIと同じであるが、追加の接地線は電源とは別に接続しなければならず、接地線を接続しない状態で運用することもできる。この状態ではクラス0と同じであることから、クラスIとは区別される。

接地極付コンセント(アース用の半円形の穴が付いたもの)の普及が進んでいない日本の電気器具では、接地付のものの多くが、本体にアース線接続用のネジ留め端子を有しているか、差込プラグに接地用口出し線を設けたものである。JISではこれらをクラスI機器ではなくクラス0I機器に分類することが明確に規定されている。

照明器具にはクラス0Iの規定がなく、クラスI照明器具には、クラス0Iが含まれる。

クラスI

感電に対する保護を基礎絶縁だけに依存しないで、基礎絶縁が破損した場合に、可触導電部が充電部とならないように、それを設備の固定配線の保護用接地線に接続することによって、追加の安全措置を講じている機器。

日本においても、日本電気協会が発行する内線規程 JEAC-8001 などで接地極付コンセントの使用が義務づけまたは勧告されるなど、クラスIへの移行が進んでいる。

クラスII

感電に対する保護を基礎絶縁だけに依存しないで、二重絶縁又は強化絶縁のような追加安全措置が講じられている機器。保護用接地の手段は備えず、かつ、設置条件に依存しない。ここでいう「設置条件に依存しない」とは、上の「接地極のない差込プラグに接地用口出し線を設けたコードセット」のように「口出し線を接地端子に接続する」といった設置条件を科さなくとも、常に基礎絶縁だけに依存しない追加安全措置が講じられた状態になる、という意味である。

クラスIII

感電に対する保護を安全特定低電圧(SELV)[8]の電源に依存し、かつ、安全特定低電圧(SELV)より高い電圧が発生しない機器。基礎絶縁が施されているかどうかは問われない。

脚注

  1. ^ JIS C 9335-1:2014 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性− 第1部:通則
  2. ^ 電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準
    • 別紙28 - J60335-1(3版-H14) 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性 - パート1:一般要求事項
    • J60335-1(4 版-H20)家庭用及びこれに類する電気機器の安全性 - 第1部:一般要求事項
    • J60335-1(H27) 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性 - 第1部:通則
  3. ^ IEC 60335-1(2010) Household and similar electrical appliances - Safety - Part 1: General requirements
  4. ^ JIS C 8105-1:2017 照明器具 − 第1部:安全性要求事項通則
  5. ^ 電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準
    • J60598-1(H29)照明器具 - 第1部:安全性要求事項通則
    • J60598-1(H26)照明器具 - 第1部:安全性要求事項通則
  6. ^ IEC 60598-1(2014) Luminaires − Part 1: General requirements and tests
  7. ^ 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について 別表第十二 国際規格等に準拠した基準”. 平成25年7月1日20130605商局第3号(改正:令和元年12月25日20191223保局第1号). 経済産業省. 2020年7月20日閲覧。
  8. ^ 安全特定低電圧は以下の二通りの規定がある
    • 安全絶縁変圧器または二重絶縁もしくは強化絶縁に関する要求事項に適合する分離巻線をもつコンバータから供給される、導体間及び対地電圧が42V以下、無負荷電圧が50V以下の電圧(JIS C 9335-1:2014)
    • JIS C 61558-2-6または同等の規格で規定する安全絶縁変圧器における一次側と二次側との間の絶縁と同等以上の絶縁によって電源から絶縁された、導体間または対地電圧が交流50V(実効値)またはリップルのない直流120V以下の電圧(JIS C 8105-1:2017)

関連項目


感電保護クラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 21:27 UTC 版)

絶縁体」の記事における「感電保護クラス」の解説

詳細は「感電保護クラス」を参照 携帯可能・可搬電気機器ユーザー感電から守るために絶縁されている。 クラス1絶縁では「基礎絶縁」を基本とし、金属製筐体表面出ている金属部分アース線繋がっていて、主要なサービスパネルから接地できるようになっている電源プラグ第3ピンがあることで容易にクラス1だとわかる。 クラス2絶縁では、「二重絶縁」を用いる。電気かみそりドライヤー可搬型発電機などで使われているクラスである。基礎絶縁追加絶縁同時に施しており、どちらか一方のみでも感電を防ぐことができる。内部電気部品全て絶縁物で覆われていて、電気流れているところに人間触れないようになっている欧州連合では、二重絶縁施した機器には二重の四角形シンボルつけられている。

※この「感電保護クラス」の解説は、「絶縁体」の解説の一部です。
「感電保護クラス」を含む「絶縁体」の記事については、「絶縁体」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「感電保護クラス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「感電保護クラス」の関連用語

感電保護クラスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



感電保護クラスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの感電保護クラス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの絶縁体 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS