愚形と好形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/20 14:27 UTC 版)
第1図 第1図は殆ど囲碁を知らない黒と有段者の白の仮想の布石である。黒は囲碁を習った手始めに「隅から打つのがよい」と教わったので、黒1 - 7を1箇所に集め集四(またはダンゴ)の愚形を作った。その間に白は白2 - 6と3つの空き隅を占め、白8で1隅のシマリを打った。 この局面が白の大優勢であることは初級者にも分かる。白は働きのある好形を作り、黒は働きのない愚形を作ったためである。 第2図 第2図は初級者同士の仮想の布石である。黒も白も三線から始めて、2回ずつ一間トビを打った。この局面の形勢は黒白同形だから互角で、次に打つ黒が盤面ではコミの分くらい優勢と判断できる。 第3図 続いて黒は右上方面を地にしようと考え、右上隅に打つ前に黒7・9のノゾキを利かせるのが地を増やすのに得策と考えた。 第4図 白は逆に白12・14を利かすのが後の右上隅の戦いの役に立つと考え、それを打ってから左上隅に手を回した。 この局目の形勢は明らかに白がよい。白12・白14のノゾキは右上隅方面の黒模様の消しに役立つだけでなく、空き三角を重ねたような愚形の黒7子の攻めまで期待できる。黒は△のノゾキの2子がダメ打ちになっているのが形勢を損ねた原因である。なおこの局面で白が何目くらい優勢と見るかは棋力・棋風で異なり、プロ棋士が出す数字はアマチュアには必ずしもあてはまらない。互先の対局であれば、アマ高段者なら白大いによしと判断する。
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