性能の経年劣化と改修
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 15:38 UTC 版)
施工当時には、当初設計性能が示される。さらに、経年とともに次第に性能は劣化していく。このため、定期的に性能試験を行って当初の設計性能が出ているか確認する必要があり、性能劣化が許容値を超えた場合には改修が必要となる。性能劣化の主な原因は、次のとおりである。 電波吸収体の劣化 四角錐形の電波吸収体の基材がスポンジである場合には経年劣化に伴い自重で変形していくこと、空気中の湿気を吸収してボロボロに崩壊してしまうことなどの原因により、電波吸収性能が低下していく。四角錐形の電波吸収体は比較的安価であり、軽量のため外部構造にかかる重量負担も軽いので、建設費を含む初期費用は安価となるが、定期的に全面交換する必要があり、その都度、改修費用がかかる。 楔形の電波吸収体は、基材がフェライト焼結合金であるので四角錐形の電波吸収体ほどの性能の経年劣化はみられない。しかし、四角錐形の電波吸収体より高価であること、重いフェライト焼結合金製の電波吸収体を支える外部構造を強固にする必要があり建設費がかさむことなどにより、初期費用が高くなる。 シールドルーム構造の劣化 当該暗室への出入口、搬入口などにはシールドドアが設置されるが、ドアとシールドルーム本体とをシールして電波を逃がさないようにするシール部材にはゴムを基材としたものが用いられる事もある。ゴムは経年劣化していくので、定期的にシール部材を交換する必要がある。また、シールドドアは全面金属製なので非常に重く、立て付けの調整も必要となる。
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