急性放射線症

原子力防災基礎用語集

急性放射線症

全身あるいは身体の大部分が、大量の放射線に被ばくした場合に生ずる、複数の臓器への障害を特徴とする病態。 放射線治療の際の副作用として現れることのある、吐き気、食欲不振、全身倦怠感、めまいなどの一連の全身症状で、いわゆる放射線宿酔と呼ばれているものは、急性放射線症の一つである。 急性放射線症の臨床症状の経過は被ばく線量などによって異なり、①前駆期②潜伏期③増悪期④回復期の四つの時期に分けることができる。 重篤な場合は、回復期を経ないで増悪期から死亡に至る。潜伏期の長さは被ばく線量と関係が深く、線量の大きいほど潜伏期は短くなる。また、線量が比較的小さい場合は、前駆期の症状が明らかでないこともある。