従円と周転円
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 04:08 UTC 版)
従円(導円)と周転円(じゅうえん(どうえん)としゅうてんえん、deferent and epicycle)は、古代ギリシアの天動説的な天文学で、月や太陽、惑星などの運行の速さや方向の変化を説明するために導入された、数学的な概念である。従円-周転円理論では、天体の運動は、大きな円(従円、あるいは導円)の円周を中心とする小さな円(周転円)の円周上を運動するという円軌道の組み合わせで説明された。(この組み合わせで生成される運動の軌跡をエピトロコイドという。)
- ^ 惑星や恒星のような、小さく見える天体については、見かけの明るさには、(光っている部分の)見かけの大きさ(面積)に比例すると考えられていた。後者は距離の2乗に反比例する。 惑星が自ら発光するのか、或いは月のように太陽に照らされて光るのかについては、プトレマイオスは何も言及していない。中世には両方の説があった。
- ^ a b ただし、周転円に割り振られた軌道の円運動からのずれの一部は、従円の離心率に反映させられた。Mozaffari SM. The Orbital Elements of Venus in Medieval Islamic Astronomy: Interaction Between Traditions and the Accuracy of Observations. Journal for the History of Astronomy. 2019;50(1):46-81, 特にpp.49-50。
- ^ アポロニウスによる留の条件は、従円-周転円および「離心円理論」の両方で述べられている。
- ^ Shank 2017および、Ragep, F. J., 'Ali Qushji and Regiomontanus: eccentric transformations and Copernican Revolutions, Journal for the History of Astronomy (ISSN 0021-8286), Vol. 36, Part 4, No. 125, p. 359 - 371 (2005)
- ^ Goldstein, Bernard R. “Theory and Observation in Medieval Astronomy.” Isis, vol. 63, no. 1, 1972, pp. 39–47. なお、彼の月の理論では、月は離心円上をやや複雑な規則に従って回転するのであって、等速円運動ではない。
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