弦_(数学)とは? わかりやすく解説

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弦 (数学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/31 00:55 UTC 版)

赤い線分 BX はこの円のである。(線分 AB は円の直径)

初等幾何学における(げん、: chord[注釈 1])は、その円周上に両端点を持つ線分を言う。弦を無限に延長して得られる直線を、割線と呼ぶ。より一般に、任意の曲線(例えば楕円)において、その曲線上の二点を結ぶ線分を、その曲線上の弦と総称する。円の中心を通る弦はその円の直径である。任意の直径は弦であるが、任意の弦が直径となるわけではない。

  • 直径 (Diameter)
  • 半径 (Radius)
  • 弦 (Chord)
  • 割線 (Secant)
  • 接線 (Tangent)

円の弦

円の弦に関する性質には、例えば以下のようなものがある:

  1. 二つの弦が、円の中心から等距離にあるための必要十分条件は、それら弦の長さが等しいことである。
  2. 長さの等しい弦を、円の中心から見込む角(中心角)は等しい。
  3. 円の中心を通る弦は直径と呼ばれ、その円の最長の弦である。
  4. AB および CD を延長して得られる割線が点 P で交わるならば、それらの長さは AP·PB = CP·PD を満足する(方冪の定理)。

楕円の弦

楕円における互いに平行な弦の族が与えられたとき、それら弦の中点はすべて同一直線上にある[1]

弦をもとにした三角法

三角法の初期の段階では弦が手広く用いられていた。知られた最古の三角函数表はヒッパルコスの編纂した弦の数表英語版で、それには7.5°刻みで弦函数の値が書き並べられていた。AD 2世紀に、アレクサンドリアのプトレマイオスは、天文学に関する著書『アルマゲスト』において、より詳細な弦の数表を編纂している(0.5°から180°まで0.5°刻みで値が与えられ、これは円の直径を120として小数点以下60進ふた桁まで正確であった)[2]

中心角 θ に対する弦; 弦の半分が正弦

弦函数 crd は幾何学的には(図のように)中心角 θ の見込む弦の長さが r⋅crd(θ)r は半径)となるように定義される。すなわち、弦函数の値 crd(θ) は、中心角 θ によって隔てられた単位円上の二点間を結ぶ弦の長さである。ここでは角度 θ は正の向きに測るものとし、弧度法で区間 0 < θπ の範囲に入るものと考えている。この元函数 crd をより現代的な正弦函数 sin と関連付けることができる。それには、一点 (1, 0) ともう一つの点 (cos(θ), sin(θ)) を結ぶ弦の長さを三平方の定理を用いて計算すればよい。すると

割円八線
  • 弓形: 端点が同じ弦と円弧で囲まれた部分(=扇形から半径と弦が作る三角形を取り除いて残る部分)
  • Scale of chords英語版: 弦に打った目盛りで角度を測る尺
  • プトレマイオスの弦の数表英語版
  • ホルディッチの定理英語版: 凸閉曲線内を回転する弦に関する
  • 円グラフ (グラフ理論)英語版: 一つの円内の弦の集合に対する交叉グラフ英語版
  • 外正割英語版: 外正割(剰正割; exsecant)と外余割(剰余割; excosecant)
  • 正矢英語版: 正矢(余正弦、残正弦; versine) と半正矢 (haversine) およびそれらの逆函数. 関連して、余矢 (coversine), 残正矢 (vercosine), 残余矢 (covercosine) / 半余矢 (hacoversine), 半残正矢 (havercosine), 半残余矢 (hacovercosine) など.
  • ジンドラー曲線英語版: 任意の弦が、同じ長さを持ち、かつ周長を二等分する単純閉曲線

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