平面内極性経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 08:42 UTC 版)
「Dishevelled」の記事における「平面内極性経路」の解説
平面内極性(planar cell polarity)経路は、最も特筆すべきβ-カテニン非依存的経路である。WntシグナルはFrizzled受容体によって受容され、FrizzledはDVLへシグナルを伝達する。DVLは2つの独立した経路の分岐点となり、低分子量GTPアーゼであるRhoとRac(英語版)の活性化をもたらす。Rho側の経路では、WntシグナルはDVLとDAAM1(英語版)の複合体形成を誘導する。その後、この複合体はRhoのグアニンヌクレオチド交換因子であるWGEF(weak-similarity GEF)と相互作用し、WGEFはRhoやRhoキナーゼ(英語版)(ROCK)などのエフェクターを活性化する。そしてこれらが細胞内のアクチンや細胞骨格構造を活性化する。Rac側の経路では、DVLによるRacの活性化は下流のエフェクターであるc-Jun N末端キナーゼ(JNK)を刺激し、JNKは細胞骨格の再構成と遺伝子発現を制御する。より具体的には、脊椎動物(ツメガエルなど)の原腸形成、神経管閉鎖、内耳における聴毛(英語版)の配向決定などの過程において、細胞の極性と移動を調節する。
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