巨体について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 02:00 UTC 版)
『ペルレスヴォー』では、吠える獣について大きく異なる描写をしている。そこでは、吠える獣は純白であり、狐よりも小さく美しいとされている。著者は、獣をキリストの象徴として描写しており、古き法、すなわちイスラエルの12部族の指示者によって殺されるのである。13世紀の詩人、ジェルベール・ド・モントイユによれば、クレティアン・ド・トロワの『パーシヴァル、または聖杯の騎士』において吠える獣は「非常に巨大」と描写されており、さらには神聖なるミサ中に私語にふける不熱心なキリスト教徒の象徴として凄まじい騒音を立てていると解釈される。後期流布本の後、『散文のトリスタン』やマロリーの記述によれば、サラセン人の騎士・パロミデス卿も唸る獣を探す冒険をしたと言う。だが、この冒険は成功することはなく、またパロミデス卿はイゾルデへの恋も実らず、苦しみを得るだけであった。後期流布本では、パロミデス卿の改宗することにより、世俗的な終わりのない冒険への執着から解放される。そして、聖杯を巡る冒険の途中、パロミデス卿は獣によって殺されてしまうのであった。この後、パーシヴァルとガラハッドが獣を湖に追い込んでいる。
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