小児麻痺ウイルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 20:56 UTC 版)
小児麻痺ウイルスはピコルナウイルス科に属する一本鎖プラス鎖RNAウイルスである。重複感染する事が多く、1つの宿主細胞に複数のウイルス粒子が侵入する経路が幾つか特定されている。これらには、ビリオン凝集体による伝達、細菌外膜小胞(英語版)によるウイルスゲノムの伝達、数種のウイルス粒子が結合した細菌による伝達などである。 1958年に小児麻痺ウイルスが多重感染再活性化を引き起こす事が示された。即ち、ウイルスに紫外線を照射して宿主細胞に複数回感染させた後には、ウイルスを不活化する紫外線量でも生存可能な子孫が1回の感染で形成される可能性がある。小児麻痺ウイルスは、少なくとも2つのウイルスゲノムが同じ宿主細胞に存在する場合、遺伝的組換えを受ける可能性がある。RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)がマイナス鎖を作成する際に、(+)ssRNAテンプレートを切り替える事で組換えを触媒するという証拠が提示された。RNAウイルスの組換えは、損傷を受けていないゲノムをウイルスの子孫に伝達するための適応メカニズムの様に思われる。
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