寒稽古
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 09:04 UTC 版)
寒稽古(かんげいこ)とは、寒の時期に、武道や芸事の修練を行うこと。技術の向上とともに、寒さに耐えながら稽古をやり遂げることで、精神の鍛錬をするという目的にも重きをおかれて行われるものである。俳句の季語としても用いられる[1]。
概要
寒稽古の原型は神道や仏教の修行法である寒行、あるいは寒修行と言われたものとされる[2]。一年の中で最も寒い時期の未明から明け方の時間に行われ、寒さから逃避するのではなく、それに積極的に取組み、技術修得よりもむしろ精神力の養成に力点をおくことに意味があると考えられている[2]。現代でも、空手道を中心に、体力向上や我慢強さを養うことを目的として行われる[3][4][5][6]。
ただし、意義は以下の通り、医学的見地から否定されている。
寒稽古で一時的に持久力が向上しても、3ヶ月後にはその効果は失われ[7]、寒稽古における激しい身体的ならびに心理的ストレスによる基礎交感神経活性の変化は、部員の持久力と自覚的コンディションの変動に負の影響を及ぼす[8]。また、寒稽古が行われる時期における大学剣道部員の上気道感染症の罹患頻度は高く、殊に寒稽古前と寒稽古中の罹患率が高いことが示された[9]。寒稽古は適切な健康管理と個人のストレスに応じたトレーニング計画を立案すべきとされる[8]。
脚注
- ^ “寒中の季語” (日本語). 日本経済新聞 電子版. 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b 寒稽古 とは - コトバンク(世界大百科事典)
- ^ “寒さに負けるな! 保育園児たちが寒稽古:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2020年7月6日閲覧。
- ^ “荒海とガチンコ勝負!空手の寒稽古 | ニュース” (日本語). 上越妙高タウン情報 (2019年1月7日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ “掛け声熱く 空手寒稽古 築上の海岸 /福岡” (日本語). 毎日新聞. 2020年7月6日閲覧。
- ^ “拳を突き出し、寒稽古 幼児から高齢者80人、滝つぼで元気に 直方・竜王峡キャンプ村 /福岡” (日本語). 毎日新聞. 2020年7月6日閲覧。
- ^ 和久貴洋,小澤聡,柳川真美,香田郡秀,河野一郎,斎藤実,藤野英明,佐藤成明「コンディションとフィットネスの変動からみた剣道の寒稽古の特性」『武道学研究』第28巻第3号、日本武道学会、1996年、 10-22頁、 doi:10.11214/budo1968.28.3_10。
- ^ a b 和久貴洋,河野一郎,小沢聡,斎藤実,香田泰子,赤間高雄,香田郡秀,佐藤成明「大学女子剣道部員における寒稽古時の夜間尿中カテコラミン排泄量とフィットネスの変化」『武道学研究』第30巻第2号、日本武道学会、1997年、 36-47頁、 doi:10.11214/budo1968.30.2_36。
- ^ 和久貴洋,香田郡秀,斎藤実,小沢聡,瀬口典子,佐藤成明,河野一郎「剣道の寒稽古と防衛体力に関する研究」『武道学研究』第31巻Supplement、日本武道学会、1998年、 15頁、 doi:10.11214/budo1968.30.2_36。
関連項目
寒稽古 (Winter Exercise Challenge)
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「香川県立高松高等学校」の記事における「寒稽古 (Winter Exercise Challenge)」の解説
毎年2月初旬・早朝(午前7時ころ開始)に行われる。生徒は柔道・剣道・早朝ランニングから一種目を選択し、参加する。基本的には自由参加。
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「寒稽古」の例文・使い方・用例・文例
- 寒稽古
- 寒稽古をする
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