家毎(いえごと)に地球の人や天の川
作 者 | |
季 語 | |
季 節 | 秋 |
出 典 | 畳の上 |
前 書 | |
評 言 | 恒星の集合体である天の川は、四季を通じて見られるものだが、澄んだ仲秋の夜空にみるのが一番美しいとされ、歳時記では秋に部立てされている。古来、『七夕伝説』と抱き合わせて、ロマンティックな心情の世界を詠む題材となった。 だがこの句は、現代的な宇宙感覚で詠まれている。天の川は、天頂の白鳥座のあたりから、ケフェウス、カシオペヤ、ペルセウスなどの星団を通って、一気に北東の地平へ流れ落ちる。その下には多くの家々が眠っている。その家毎にいる人々は、銀河系の宇宙人でなく、地球の人であることの不思議さよ。天の川の星団から降りてきた宇宙人が眠っているとみても別に不思議ではないのに。そう作者は詠む。それは、三万光年の彼方の恒星群をまのあたりにして、人間の情感を突き抜けたはるかな宇宙空間を幻視しているともいえよう。 |
評 者 | |
備 考 |
- 家毎に地球の人や天の川のページへのリンク