外因性アポトーシス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:24 UTC 版)
Fasリガンドによって刺激されると、Fas受容体は三量体化する。Fasを含む多くの受容体が細胞質側にDDを持ち、そのため細胞死受容体(英語版)と呼ばれている。FADDは自身のDDを介してこの三量体構造のDDに結合し、その結果FADDのDEDが露出する。そして、FADDとカスパーゼ前駆体のDEDどうしの相互作用によってカスパーゼ-8、-10前駆体がリクルートされる。これによって、細胞死誘導性シグナル伝達複合体(DISC)と呼ばれる複合体が形成される。カスパーゼ-8、-10はイニシエーターカスパーゼとして知られている。これらは同種の他のカスパーゼ前駆体と近接した際に、自身のアスパラギン酸残基での自己触媒切断によって活性型タンパク質となる。この活性化されたタンパク質はさらにカスパーゼを切断して活性化し、カスパーゼカスケードを開始する。活性化されたカスパーゼはICAD(英語版)などの細胞内タンパク質を切断し、最終的には細胞のアポトーシスを引き起こす。 TRAIL(英語版)のDR4(英語版)やDR5(英語版)への結合も同じ機構でアポトーシスを引き起こす。 アポトーシスはTNFR1(英語版)へのリガンドの結合によっても開始される。しかし、その機構は少し複雑である。TRADD(英語版)と呼ばれる、DDを持つ他のアダプタータンパク質やその他のタンパク質が活性化されたTNF1Rに結合し、complex Iと呼ばれる複合体が形成される。その結果、NF-κB経路が活性化され、細胞生存が促進される。その後、この複合体はインターナリゼーションされ、FADDがDDどうしの相互作用を介してTRADDに結合し、complex IIと呼ばれる複合体が形成される。FADDはカスパーゼ-8前駆体をリクルートし、カスパーゼカスケードが開始されてアポトーシスが引き起こされる。
※この「外因性アポトーシス」の解説は、「FADD」の解説の一部です。
「外因性アポトーシス」を含む「FADD」の記事については、「FADD」の概要を参照ください。
- 外因性アポトーシスのページへのリンク