変形核
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 05:13 UTC 版)
1990年代初めからの研究により、超重元素が完全に球形である核を持たないことが示された。殻は球形の場合は安定していると見なされる。核の形状が変わると、殻の中の中性子と陽子の位置が変わる。近年の研究により、大きな核が変形し魔法数を球形のものと比べて変化させることが示されている。現在の理論的調査によりZ = 106–108 や N ≈ 160–164の領域では、変形した原子核に対する殻の効果の結果として原子核が核分裂に対してより強い抵抗力があり、よってそのような超重核はα崩壊を受けるだけであるだろうことが示されている。ハッシウム-270は現在ダブルマジック変形核であり、変形魔法数Z = 108, N = 162と考えられている。半減期は10秒である。N = 162近くで隣り合うハッシウムとシーボーギウム同位体の崩壊特性の決定は、変形核における相対的安定の領域についてのさらなる強力な証拠を提供してくれる。
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