垂野創一郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/23 02:21 UTC 版)
垂野 創一郎(たるの そういちろう、1958年 - )は、日本の翻訳家、幻想文学研究家。
人物
香川県生まれ。東京大学理学部卒[1]。生命保険会社に入社して保険料の計算の仕事につく[2]。
自らの同人レーベル「エディション・プヒプヒ(Editions puhipuhi)」にてグスタフ・マイリンク『マイリンク疑似科学小説集』、パウル・シェーアバルト『セルバンテス』、H・W・ツアーン『ヴァルミュラーの館』、モーリス・サンド『迷路』、ルートヴィヒ・ティーク『青い彼方への旅』、ヴィリ・ザイデル『世界最古のもの』、フリードリッヒ・フレクサ『伯林白昼夢』、エーゴン・フリーデル『タイムマシンの旅』、レオ・ペルッツ『アンチクリストの誕生』等、ドイツ、オーストリア圏を中心とする幻想文学の翻訳紹介を続けている。他に、スタニスワフ・レムの作品集『発狂した仕立屋 その他の抜粋』も、ドイツ語訳からの翻訳で刊行した。
1990年代後半、翻訳して自主制作したボルヘス『推理小説書評集』をコミケットで販売する[3]。2005年の第4回から文学フリマに参加する[4]。
2006年には、本多正一編集により『幻影城の時代』がエディション・プヒプヒから刊行[5]。2008年に『幻影城の時代 完全版』として講談社BOXから刊行された。
近年は商業出版での刊行にも積極的に進出している。
翻訳
- 『最後の審判の巨匠』(レオ・ペルッツ、晶文社ミステリ) 2005.3
- 『ナツメグの味』(ジョン・コリア、小池滋,吉村満美子,和爾桃子と共訳、河出書房新社、KAWADE MYSTERY) 2007.11
- 『夜毎に石の橋の下で』(レオ・ペルッツ、国書刊行会) 2012.7
- 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』(バルドゥイン・グロラー、創元推理文庫) 2013.4
- 『ボリバル侯爵』(レオ・ペルッツ、国書刊行会) 2013.11
- 『両シチリア連隊』(アレクサンダー・レルネット=ホレーニア、東京創元社) 2014.9
- 『スウェーデンの騎士』(レオ・ペルッツ、国書刊行会) 2015
- 『聖ペテロの雪』(レオ・ペルッツ、国書刊行会) 2015
- 『世界最古のもの』(ヴィリ・ザイデル、沖積舎) 2015
- 『セルバンテス』(パウル・シェーアバルト、沖積舎) 2015
- 『アンチクリストの誕生』(レオ・ペルッツ、ちくま文庫) 2017
- 『ワルプルギスの夜 マイリンク幻想小説集』(グスタフ・マイリンク、国書刊行会) 2017
- 『どこに転がっていくの、林檎ちゃん』(レオ・ペルッツ、ちくま文庫) 2018
- 『怪奇骨董翻訳箱 ドイツ・オーストリア幻想短篇集』(国書刊行会) 2019
- 『イヴのことを少し:マニュエル伝』(ジェイムズ・ブランチ・キャンベル、国書刊行会) 2019
- 『記憶の図書館 - ボルヘス対話集成』(ホルヘ・ルイス・ボルヘス / オスバルド・フェラーリ、国書刊行会) 2021.9
- 『テュルリュパン ある運命の話』(レオ・ペルッツ、ちくま文庫) 2022.4
- 『男爵と魚』(ペーター・マーギンター、国書刊行会) 2025.3
脚注
- ^ “垂野創一郎 (タルノソウイチロウ )”. 東京創元社. 2015年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月22日閲覧。
- ^ 『ナイトランド・クォータリー』vol.19 P.96に掲載のインタビューより
- ^ 『ナイトランド・クォータリー』vol.19 P.97に掲載のインタビューより
- ^ 『ナイトランド・クォータリー』vol.19 P.97に掲載のインタビューより
- ^ https://www.kosho.ne.jp/melma/magazine20070119_2.htm
外部リンク
- 垂野創一郎のページへのリンク