地震とメキシコシティの脆弱な地盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 02:41 UTC 版)
「メキシコ地震 (1985年)」の記事における「地震とメキシコシティの脆弱な地盤」の解説
この地震では震源地に近い場所でも被害があったが、震源から300km以上離れたメキシコシティでの被害が大きかった。メキシコシティは、テスココ湖を埋め立てたところに立地していることから、深さ7m〜307mは水分を多く含む軟弱な地盤である一方でかつての湖底が固い地盤であるため、地震波の反射と増幅により長周期地震動が発生し液状化現象が起きた。かつての湖底は周期が約2.5秒の地震波と一致するような形状をしていたため、この地震の地震波と共鳴を起こした。これらの現象は特に、遠くからやって来た地震波にみられる。 さらに、長周期地震動と建物が揺れる振動が一致して共振を起こし、病院などの公共施設を含む多くのビルがパンケーキ崩壊を起こし、倒壊した。最も高い全壊率を示していたのは14階建てのビルで、固有周期が1.4秒ぐらいのビルが、周期約2秒前後の長周期地震動の影響を一番受けやすかったとされている。なお、当時は倒壊の原因は建築基準の甘さが原因とされており、長周期振動が原因と判明したのは近年になってからのことである。
※この「地震とメキシコシティの脆弱な地盤」の解説は、「メキシコ地震 (1985年)」の解説の一部です。
「地震とメキシコシティの脆弱な地盤」を含む「メキシコ地震 (1985年)」の記事については、「メキシコ地震 (1985年)」の概要を参照ください。
- 地震とメキシコシティの脆弱な地盤のページへのリンク