国際的に見た株式会社の一般的特質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 00:34 UTC 版)
「株式会社」の記事における「国際的に見た株式会社の一般的特質」の解説
ヨーロッパ諸国、アメリカ、日本の会社法を比較研究したKraakman et al. 2004は、株式会社の特質は、(1)法人格、(2)出資者(株主)の有限責任、(3)持分の自由譲渡性、(4)所有と経営の分離、(5)出資者(株主)による所有の5点にあるとし、この五つを兼ね備えたものが株式会社の基本形であるとする。そして、市場経済の国においては、ほとんどすべての大会社がこれら5点の特徴を備えていると指摘している。日本の株式会社の中の公開会社、ドイツの株式会社、フランスの株式会社、アメリカのコーポレーションの中の公開会社(英語版)、イギリスの株式有限責任会社(英語版)の中の株式有限責任公開会社(英語版)はこれに当たる。 その一方で、各国とも、これらに類似しつつも、(3)の特徴を有しない閉鎖型の会社形態が何らかの形で規定されていることが通常である。大陸法圏においては株式会社とは別個の会社形態として有限会社が立法されることが多く、かつての日本の有限会社、ドイツの有限会社(GmbH)、フランスの有限会社(SARL)などがある。一方、現在の日本や英米法圏などでは、株式会社の一種として立法されており、日本の株式会社の中のいわゆる非公開会社、アメリカのコーポレーションの中の閉鎖会社(close corporation)、イギリスの株式有限責任会社(company limited by shares)の中の株式有限責任私会社(private company limited by shares)などがある。 なお、国によっては(2)の例外として、株主と並ぶ無限責任社員の存在を認める会社形態を認めるものもある。フランス、ドイツ、かつての日本など、大陸法圏で認められる株式合資会社が典型であるが、英米法圏においても、英領ヴァージン諸島の株式発行を授権された無限責任会社(unlimited company that is authorised to issue shares)などがある。
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