喚起魔術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/01 14:12 UTC 版)
喚起魔術 (evocative magic, magical evocation) は、霊に対して、魔術師の外部の特定の領域に現れるよう命令し、現れた霊を魔術師の目的のために働かせる魔術作業である。召喚を杯の業というのに対し、喚起を剣の業という。「人工精霊 (artificial elemental) の創造」はこの変種と言える。 近世のグリモワール『ゴエティア』に基づく魔術作業は、典型的な喚起魔術である。魔術師は地に描いた魔法円の中に身を置き、円外に配置された魔法三角の中にデーモンを呼び出す。呼び出された霊はユダヤ・キリスト教の神の威光を借りた魔術師の命令に服する。 刊行されている『ゴエティア』に付された図版では、三角形の中に円が描かれているが、これは魔法鏡であるとも解釈されており、魔法鏡をスクライングの窓として用いるのは、よくある方法である。魔法円は魔術師を防護するためのものだが、物理的に描く必要はなく、十分に習熟した追儺儀式で事足れりとする意見もある。伝承では香の煙や動物の血などによって呼び出した霊を物質化させ目に見えるようにすることができるとされる。現代ではこのようなことは不要であり、霊の出現の徴としては幻視や雰囲気の変化で十分とも言われている。
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