喚呼応答の発端
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 19:50 UTC 版)
一人の作業員が行った指差喚呼に続いて、協働する作業員がそれを復唱することを喚呼応答(かんこおうとう)といい、指差呼称の効果を高めるものとされている。歴史的には、蒸気機関車乗務員の信号確認行為で、機関手と機関助手(=缶焚き)のする喚呼応答が、指差喚呼より先にできたものである。この場合に機関助手は、機関手の言うことをそのまま復唱するのではなく、自分でもその内容を確認した上で復唱しなければ意味がない。 喚呼応答の起源については、参考文献にある『機関車と共に』に出ており、明治末年に神戸鉄道管理局でルール化されたものである。明治末年、目が悪くなった機関手の堀八十吉が、機関助手に何度も信号の確認をしていたのを、同乗した同局の機関車課の幹部が、堀機関手が目が悪いことに気がつかずに、素晴らしいことであるとしてルール化したもので、『機関車乗務員教範』(神戸鉄道管理局 大正2年7月発行)に「喚呼応答」として登場する。 戦前は日本の統治下にあり、その鉄道システムを学んだ韓国や台湾においても喚呼応答は実施されており、日本の鉄道が生んだ安全確認システムは海外にも導入されている。指差喚呼については、炭坑など危険と隣り合わせの職場から広まり、現代に受け継がれている。
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