和議開始の効力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 07:32 UTC 版)
和議開始決定により和議手続が開始し(和議法2条)、同時に管財人(和議管財人)が選任される(和議法27条1項)。 和議の開始は破産宣告と異なり、原則として債務者の財産管理処分権に影響を及ぼさない(和議法32条1項)。また、民事再生法における管財人(再生管財人)と違い、手続開始と同時に必ず選任されるが、和議管財人には債務者の財産を直接管理処分する権限を有しておらず、債務者の行為を監督し、調査・報告等を行うことをその任務としている。そのため、債務者が従前どおり自己の財産に関する管理処分権を行使することになる。 ただし、「通常ノ範囲ニ属セサル行為」については和議管財人の同意を要し(和議法32条1項)、通常の範囲に属する行為であっても、管財人の異議があるときは、債務者がこれをなすことができない(和議法32条2項)。また、管財人は、自ら金銭の収支をなすべきことを、債務者に請求できる(和議法34条)。 和議手続中は、和議債権につき個別執行が禁止される。すなわち、債務者の財産に対し、強制執行や仮処分、仮差押をすることができない。また、和議開始前に着手された個別執行手続きも中止される(和議法40条)。
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