和歌と歌集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 18:23 UTC 版)
『小倉百人一首』には猿丸大夫の作として、以下の和歌が採られている。 おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき — 小倉百人一首5 ただしこの歌は、『古今和歌集』では作者は「よみ人しらず」となっている。菅原道真の撰と伝わる『新撰万葉集』にも「奥山丹 黄葉踏別 鳴鹿之 音聆時曾 秋者金敷」の表記で採られているが、これも作者名はない。また三十六歌仙の歌集『三十六人集』には、猿丸大夫の歌集であるという『猿丸大夫集』なるものがあるが、残されているいくつかの系統の伝本を見ても、その内容は全て後人の手による雑纂古歌集であり、『猿丸大夫集』にある歌が猿丸大夫が詠んだものであるかは疑わしいとされる。少なくとも、『猿丸大夫集』には彼の作品と確定できる歌は1首もない。なお「おくやまに」の歌は『猿丸大夫集』にも入っているが語句に異同があり、 あきやまの もみぢふみわけ なくしかの こゑきく時ぞ 物はかなしき となっている(御所本三十六人集に拠る)。
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