周期性嘔吐症候群とは? わかりやすく解説

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周期性嘔吐症候群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/17 15:59 UTC 版)

周期性嘔吐症候群
別称 Cyclical vomiting syndrome
概要
種類 成人発症、小児発症、カンナビノイド悪阻症候群(CHS)[1][2]
診療科 消化器内科
症状 繰り返される吐き気嘔吐腹痛[2]
継続期間 長期[2]
原因 不明[2]
危険因子 本人または家族の片頭痛[2]
診断法 他の原因を除外した後の症状に基づく[2]
鑑別 胆嚢疾患, 膵炎, つわり, 胃捻転, 腸回転異常, 急性肝性ポルフィリン症[2][3]
合併症 脱水電解質異常食道裂傷[3]
予防 アミトリプチリントピラマートアプレピタント[2]
治療 支持療法オンダンセトロントリプタン、入院[2]
頻度 2%[2]
分類および外部参照情報

周期性嘔吐症候群( しゅうきせいおうとしょうこうぐん、: Cyclic vomiting syndromeCVS )は、吐き気嘔吐腹痛を繰り返す疾患である[2]。症状は通常突然あらわれ、数時間から数日間続く[2][4]。嘔吐する前に大量の水分を飲む人もいる[2]。その他の症状には、不安うつ自律神経機能障害などがあげられる[2]。周期性嘔吐症候群は慢性疾患である[2]。合併症には、脱水電解質異常食道裂傷などがあげられる[3]

原因は不明であるが、複数の要因が関与していると考えられている[2][4]。多くの罹患者は、本人または家族に片頭痛の病歴がある[2]。発症は、心理的ストレス、睡眠不足、月経などによって引きおこされることがある[2][4]。成人の場合の診断は、画像診断上部内視鏡検査を用いて他の潜在的な原因を除外の後に特定の基準に基づいておこなわれる[2][5]カンナビノイド悪阻症候群(CHS)は周期性嘔吐症候群のサブタイプである[2]

急性発作は、支持療法オンダンセトロントリプタン抗ヒスタミン薬などの薬剤投与により治療される[2]。場合によってはケタミンの投与または入院が必要になることもある[2][1]。人によっては温かい風呂に入ることが効果的な場合がある[2]。発作の予防には、アミトリプチリントピラマートアプレピタントの継続的使用と大麻の使用中止が含まれる[2][3]。緊急ケアプランが役に立つ場合もある[2]

周期性嘔吐症候群は人口の2%に罹患する[2]。罹患率は男性よりも女性の方が高い[2]。30代と40代の成人に最も多くみられ、小児患者の場合は症例の約70%は成人までに治癒する[2]。この症状が最初に説明されたのは、1861年にロンバード(Lonbard)による[1]。この疾患により仕事の能力低下や人間関係のストレスにつながる可能性がある[2]

出典

  1. ^ a b c Lathrop, JR; Rosen, SN; Heitkemper, MM; Buchanan, DT (1 May 2023). “Cyclic Vomiting Syndrome and Cannabis Hyperemesis Syndrome: The State of the Science.”. Gastroenterology nursing : the official journal of the Society of Gastroenterology Nurses and Associates 46 (3): 208-224. doi:10.1097/SGA.0000000000000730. PMID 37074964. 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac Frazier, R; Li, BUK; Venkatesan, T (1 July 2023). “Diagnosis and Management of Cyclic Vomiting Syndrome: A Critical Review.”. The American journal of gastroenterology 118 (7): 1157-1167. doi:10.14309/ajg.0000000000002216. PMID 36791365. 
  3. ^ a b c d Davis, A; Bryant, JH (January 2025). “Cyclic Vomiting Syndrome.”. StatPearls. PMID 29763194. 
  4. ^ a b c Cyclical vomiting syndrome” (英語). nhs.uk. NHS (2017年10月18日). 2025年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月4日閲覧。
  5. ^ Kovacic, K; Li, BUK (February 2021). “Cyclic vomiting syndrome: A narrative review and guide to management.”. Headache 61 (2): 231-243. doi:10.1111/head.14073. PMID 33619730. 

外部リンク


周期性嘔吐症候群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/19 07:53 UTC 版)

「オンダンセトロン」の記事における「周期性嘔吐症候群」の解説

オンダンセトロンは周期性嘔吐症候群(英語版)の嘔吐期に有効な薬剤1つである。

※この「周期性嘔吐症候群」の解説は、「オンダンセトロン」の解説の一部です。
「周期性嘔吐症候群」を含む「オンダンセトロン」の記事については、「オンダンセトロン」の概要を参照ください。

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