可算選択公理を仮定した無限との同値性の証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 09:09 UTC 版)
「デデキント無限」の記事における「可算選択公理を仮定した無限との同値性の証明」の解説
デデキント無限集合が無限であることはZFで容易に証明される。実際、任意の有限集合はある有限順序数と等濃であって、有限順序数がデデキント有限であることは帰納法により証明できる。 可算選択公理を用いることによって、その逆が証明できる。つまり、無限集合はデデキント無限であることを以下のように証明できる。 まず無限集合 X {\displaystyle X} は可算無限な部分集合を持つことを示す。相異なる X {\displaystyle X} の元からなる長さ n + 1 {\displaystyle n+1} の列の成す集合を X n {\displaystyle X_{n}} とする。 X {\displaystyle X} は有限でないから X n {\displaystyle X_{n}} は空でない。したがって可算選択公理により選択関数 f : ω → ⋃ n < ω X n {\displaystyle f:\omega \to \bigcup _{n<\omega }X_{n}} が存在する。そこで f ( n ) = ( x n 0 , x n 1 , … , x n n ) {\displaystyle f(n)=(x_{n0},x_{n1},\ldots ,x_{nn})} と表す。いま Y = { x n i ∣ i ≤ n < ω } {\displaystyle Y=\{x_{ni}\mid i\leq n<\omega \}} とおけば、 Y {\displaystyle Y} は可算無限集合である。実際 Y {\displaystyle Y} の元は x 00 , x 10 , x 11 , … {\displaystyle x_{00},x_{10},x_{11},\ldots } と(重複は飛ばして)枚挙できる。したがって Y {\displaystyle Y} は X {\displaystyle X} の可算無限部分集合である。そこで可算無限部分集合 Y {\displaystyle Y} を潰すことで全射でない単射 h : X → X {\displaystyle h:X\to X} が得られる。したがって X {\displaystyle X} はデデキント無限である。
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