可換の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 02:17 UTC 版)
1. n を法とした整数 Z / n Z {\displaystyle \mathbb {Z} /n\mathbb {Z} } . 2. R 1 , … , R n {\displaystyle R_{1},\ldots ,R_{n}} を環とし R = ∏ i = 1 n R i {\displaystyle R=\prod _{i=1}^{n}R_{i}} とする。このとき R が主環であることと Ri がすべての i に対して主環であることは同値である。 3. 主環の任意の乗法的集合における局所化は再び主環である。同様に、主環の任意の商は再び主環である。 4. R をデデキント整域とし I を R の 0 でないイデアルとする。このとき商 R/I は主環である。実際、I を素イデアルの冪の積として分解できる: I = ∏ i = 1 n P i a i {\displaystyle I=\prod _{i=1}^{n}P_{i}^{a_{i}}} , そして、中国の剰余定理によって R / I ≅ ∏ i = 1 n R / P i a i {\displaystyle R/I\cong \prod _{i=1}^{n}R/P_{i}^{a_{i}}} , なので各 R / P i a i {\displaystyle R/P_{i}^{a_{i}}} が主環であることを見れば十分である。しかし R / P i a i {\displaystyle R/P_{i}^{a_{i}}} は離散付値環 R P i {\displaystyle R_{P_{i}}} の商 R P i / P i a i R P i {\displaystyle R_{P_{i}}/P_{i}^{a_{i}}R_{P_{i}}} に同型であり、主環の商であるので、主環である。 5. k を有限体とし A = k [ x , y ] {\displaystyle A=k[x,y]} , m = ⟨ x , y ⟩ {\displaystyle {\mathfrak {m}}=\langle x,y\rangle } , R = A / m 2 {\displaystyle R=A/{\mathfrak {m}}^{2}} とおく。このとき R は主環でない有限局所環である。 6. X を有限集合とする。このとき ( P ( X ) , Δ , ∩ ) {\displaystyle ({\mathcal {P}}(X),\Delta ,\cap )} は単位元をもつ可換主イデアル環をなす。ただし Δ {\displaystyle \Delta } は対称差を表し P ( X ) {\displaystyle {\mathcal {P}}(X)} は X の冪集合を表す。X が少なくとも 2 つの元をもてば、環はまた零因子をもつ。I がイデアルであれば、 I = ( ⋃ I ) {\displaystyle I=(\bigcup I)} である。X を無限集合とすれば、環は主環でない。例えば、X の有限部分集合で生成されるイデアルを考えよ。
※この「可換の例」の解説は、「単項イデアル環」の解説の一部です。
「可換の例」を含む「単項イデアル環」の記事については、「単項イデアル環」の概要を参照ください。
- 可換の例のページへのリンク