反等角性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/20 16:54 UTC 版)
円反転写像は反等角(反共形)、つまり各点において反転は角を保ち、かつ向きを逆にする(等角写像(共形写像)の場合であれば、「向き付けられた」角を保つ)。代数的には、写像が反共形になるのは、各点においてヤコビ行列が行列式の値が負の直交行列のスカラー倍になっている場合に限る(二次元の場合で言えば、ヤコビ行列が各点で鏡映のスカラー倍にならないといけないということ)。式で書けば、ヤコビ行列を J として、J tJ = kI(k は適当なスカラー、I は単位行列)かつ det(J) = −√k と書ける場合ということである。zi = xi/||x||2 (||x||2 = x12 + ... + xn2) の場合にヤコビ行列を計算すれば、JJT = kI (k = 1/||x||4) となり、det(J) が負となることも計算すればわかるから、この反転が反等角であることが確かめられる。 複素数平面において、最も分かり易い円反転写像(つまり原点中心の単位円に関するもの)は、各点 z を 1/z へ写す複素反転写像の複素共軛に等しい。複素解析的反転写像は等角であり、その共軛である円反転は反等角であるということになる。
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