反射防止膜とは? わかりやすく解説

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はんしゃぼうし‐まく〔ハンシヤバウシ‐〕【反射防止膜】

読み方:はんしゃぼうしまく

カメラ望遠鏡などの光学系において、レンズ表面反射低減させ、コントラスト向上させるための薄膜。とくにガラス屈折率異な薄膜により、界面反射干渉利用するものを指す。


反射防止膜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 10:22 UTC 版)

反射防止膜(はんしゃぼうしまく)とは、レンズや他光学機器の表面反射を低減するため、表面に塗布するコーティングの種類である。

機器由来の光が減少することにより望遠鏡などの複雑な機器では、反射が低減し迷光の除去により画像のコントラストが改善する。これは特に惑星科学において重要である。その他の応用として、主に眼鏡レンズの表面にコーティングを施し、第三者から見て着用者の目線がよく見えるようになるといったものや身を隠して双眼鏡やライフル銃用の照準眼鏡を使用する際に、表面の反射を取り除くといったものが挙げられる。

応用

反射防止コーティングは、光が透過するレンズ表面から光の低減や低反射が望まれる様々な応用に使用されている。例えば、矯正メガネやカメラのレンズ素子がある。

矯正レンズ

夜間の運転またはパソコンのモニター前で作業する際にそれらは少なからず光が生じる。それを低減し、見やすくする為にメガネには「反射防止レンズ」を施し、光を低減することにより1日の終わりに着用者は目の疲れを感じにくくさせる効果がある。 多くの反射防止レンズは、清潔に保つために水や油を容易にはじくコーティングを施している。

フォトリソグラフィ

反射防止コーティングは、基板表面からの反射に関連するイメージの歪みを軽減するために、マイクロエレクトロニクスフォトリソグラフィであることが多い。 さまざまなタイプの反射防止コーティングは、フォトレジストを前または後ろのいずれかに塗布し、定常波、薄膜干渉および鏡面反射を軽減するのに役立っている。

種類

インデックス・マッチング

反射防止膜のもっとも単純な方式は、1886年に第3代レイリー男爵ジョン・ウィリアム・ストラットによって発見された。今日で入手可能な光学ガラスは、環境との化学反応により年月とともに表面に曇りが生じる傾向にあった。レイリー卿は、幾つかの曇りが生じた古いガラスを試し、それらが新しく綺麗なガラスよりも多くの光を発した事を発見した。

理論

多くのコーティングの場合、厚膜と薄膜の効果という2つの光学的効果が起因している。 厚膜効果があるため、コーティング層(またはフィルム)の上下間の屈折率によって差が生じる。もっとも単純な場合では、これら3つの層として空気、コーティングおよびガラスがある。

関連項目


反射防止膜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 01:46 UTC 版)

薄膜干渉」の記事における「反射防止膜」の解説

詳細は「反射防止膜」を参照 反射防止膜は、光学系において反射光除去し透過光最大化するための膜である。膜は、ある波長の光に対して反射光弱め合う干渉をし、透過光強め合う干渉をするように設計される。最も簡単な例では、光学的厚さ d n c o a t i n g {\displaystyle dn_{\rm {coating}}} が入射光の1/4波長であり、屈折率空気屈折率より大きくガラス屈折率より小さくなるように作られている。 n a i r < n c o a t i n g < n g l a s s {\displaystyle n_{\rm {air}}<n_{\rm {coating}}<n_{\rm {glass}}} d = λ / ( 4 n c o a t i n g ) {\displaystyle d=\lambda /(4n_{\rm {coating}})} n a i r < n c o a t i n g {\displaystyle n_{\rm {air}}<n_{\rm {coating}}} 及び n c o a t i n g < n g l a s s {\displaystyle n_{\rm {coating}}<n_{\rm {glass}}} であるため、膜の上下の界面反射すると、180°位相差生じる。反射光干渉を表す式は次のうになる。 2 n c o a t i n g d cos ⁡ ( θ 2 ) = m λ {\displaystyle 2n_{\rm {coating}}d\cos {\big (}\theta _{2})=m\lambda } (反射波弱め合う干渉をする場合) 2 n c o a t i n g d cos ⁡ ( θ 2 ) = ( m − 1 2 ) λ {\displaystyle 2n_{\rm {coating}}d\cos(\theta _{2})=\left(m-{\frac {1}{2}}\right)\lambda } (反射波弱め合う干渉をする場合光学的厚さ d n c o a t i n g {\displaystyle dn_{\rm {coating}}} が入射光の1/4波長相当し、光が垂直に膜に入射する ( θ 2 = 0 ) {\displaystyle (\theta _{2}=0)} と、反射光は完全に位相がずれて弱め合う干渉をする。光の波長合わせて層を重ねることでさらに反射抑えることができる。 これらの膜において、透過光干渉は完全に強め合う。

※この「反射防止膜」の解説は、「薄膜干渉」の解説の一部です。
「反射防止膜」を含む「薄膜干渉」の記事については、「薄膜干渉」の概要を参照ください。

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「反射防止膜」の例文・使い方・用例・文例

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