南極が北極より寒い理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 02:32 UTC 版)
「南極の気候」の記事における「南極が北極より寒い理由」の解説
北極の気候と比べると、南極の気候は寒く、より乾燥している。これは、南極の地形や海陸分布によるところが大きい。 まず、南極は北極と違って大陸であり、気候は気温の上下が大きい大陸性である。また、内陸のほとんどが分厚い氷河の上にあり標高も高いため、標高の低い北極点付近に比べ気温が更に低くなる。 それに加え、南極は周囲の大陸から孤立し、南極点を中心に位置している。このため、南極付近の冷たい空気と、その周囲の海上・陸上にある暖かい空気の温度差が非常に大きくなり、気圧差も大きくなる。高気圧側の南極(極高圧帯)から吹き出す風は、南極海で発達する低気圧や前線を通って上昇気流となり、上空で南極に戻っていく循環コースをたどる。低気圧が発達するとジェット気流や偏西風も発達するため、南極と北側の温かい空気はこの強風帯によって隔てられる。また、同じように海流も南極を取り巻くように流れており(南極環流)、暖かい海水が南極付近に流れ込みにくい構造となっている。これら、海と大気両方の壁によって、南極の寒さが保たれている。一方の北極は、海陸分布が崩れていること、北大西洋海流が北極海に流入していることなどから、寒さは維持されにくい。
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