匿名性の扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:43 UTC 版)
匿名性の扱いは、分野・雑誌によって少しずつ異なっている。査読中は、著者は誰が自分の論文を審査しているか知らされない。ときどき、著者は編集者の名前すら知らされないことがある。 著者と査読者とがお互いに相手の名前を知らない状態で行われる査読方法を、ダブル・ブラインド法という。これは、(例えば著者が非常に高名なときなどに)著者の名前で審査が偏らないようにするためである(これに対し、一般的に行われている査読者が著者の名前を知っている場合をシングル・ブラインド法ということがある。どちらにしても、査読者の匿名性は保持される)。ダブル・ブラインドで査読を行う場合、著者は自分が誰だかわかってしまうような参考文献をすべて取り払うように要求される。 ただし、一般的にはダブル・ブラインドはあまり採用されない。これは、いくら編集部が匿名性を維持しようと努力しても、失敗に終わることが多いからである。用いているアプローチ、方法、記述方法などから、同じ研究仲間ならだいたい著者がどのグループであるのか、ときには執筆者が誰なのかまで特定できてしまう。 また、伝統的な「査読者の著者に対する匿名」も、徐々に変わりつつある。いくつかの学術分野では、ほとんどの雑誌が、現在では査読者に匿名を維持するかどうかをたずねるようになっている。論文には、ときに改善点を指摘してくれた査読者への謝辞を名前入りで掲載することもある。
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