北支事件特別税とは? わかりやすく解説

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北支事件特別税

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/01 08:58 UTC 版)

北支事件特別税(ほくしじへんとくべつぜい)は、北支事件特別税法(昭和12年法律第66号)で規定された特別税である。北支事件特別税法は、支那事変特別税法(昭和13年法律第51号)によって廃止された。

概要

盧溝橋事件からの日中戦争の経費のために1937年(昭和12年)8月、第71回議会で新設された臨時税である。

「支那事変」費として予備金1000万円の支出に次いで、上述議会第一号追加予算として9600万円、さらに第四号追加予算として4億1000万円が成立したが、その全額を公債でまかなうのは適当でないとされ、うち約1億円はこの税によることとなった。

課税内容

次の5種の税からなっている。

  1. 所得特別税 - 所得税納税者から徴収し、臨時租税増徴法(昭和12年3月30日法律第3号)による増徴額が加えられた納税額に対し、第一種所得税は10/100、第二種所得税(国債利子を除く)は5/100、第三種所得税は 7.5/100を徴収する。
  2. 臨時利得特別税 - 臨時租税増徴法による増徴額が加えられた臨時利得税納税額の15/100を同納税者(法人も個人も同率)から納付させる。
  3. 利益配当特別税 - 法人から年7%以上の利益配当を受ける者から7%を超える金額の10/100が徴される税で、源泉課税の方法による。
  4. 公債及社債利子特別税 - 源泉課税の方法によるが、国債については年利率4%、その他公社債については年利率4.5%を超える利子額の10/100を納付させる。
  5. 物品特別税 - 娯楽品または奢侈品と目される物品に課される消費税である(のちに物品税と改められ、課税品目が増加され生活日常品にまで拡大され、第三種が新設された)。

物品は2種に分かれ、第一種はダイヤモンドルビー水晶真珠のような貴石、半貴石を用いられて製された製品、白金のような貴金属製品または貴金属を用いられた製品、鼈甲製品、珊瑚製品など。

第二種は写真機、写真引伸機、映写機およびその部分品、付属品、写真用乾板フィルム、感光紙、蓄音機およびその部分品、レコード楽器およびその部分品である。

第一種は小売業者から消費者に売られる時、第二種は製造場から引き取る時に課税され、税率は両種ともにその価格の20%である。

これら物品の輸入品にも同様に課税された。




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