北京の四合院の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 07:35 UTC 版)
四合院の「院」とは中庭(院子)のことで、中庭を中央に設け、中庭の中央に「十」文字の通路を作り、その東西南北の突き当たりに、それぞれ一棟ずつ建物を配置する。そのため四合院と呼ばれるようになった。北側に設けられるのが、「正房」であり、表座敷にあたり、主人夫婦が住む。そのため屋根も他の棟より高い。東側に設けられるのが、「東廂房」である。東のわきの間であり、主人の両親や長男が住む。西側に設けられるのが、「西廂房」である。西のわきの間であり、次男が住む。南側に設けられるのが、「倒坐房」であり、逆向きの間である。コックが住み、厨房や厠が設けられる。これらの4棟はそれぞれ独立して建てられており、中央の十文字の通路を通らなければ、訪問できない。四合院の大門(表門)は胡同に面し、外部からの客は大門(表門)を入って、狭い通路を通り、影壁に突き当たって左に折れ、前庭に出る。前庭は中庭とは「垂花門」(短い柱条の飾りの付いた門)で区切られている。前庭に面しているのが、倒坐房である。正房が四合院の北側すなわち、易の八卦でいう「坎」(かん)にあたる。大門(表門)は東南隅の方向にあるから、八卦でいう「巽」(そん・たつみ)にあたる。この「坎宅巽門」(かんたくそんもん)の配置が風水的に、もっとも理想であるとされる。
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