前周期的点の数論的性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/31 06:50 UTC 版)
F(x) を係数を Q にもつ少なくとも次数 2 の有理函数とする。ノースコット (Northcott) の定理は、F が有限個の Q-有理的前周期点、すなわち、F が P1(Q) に有限個の前周期点しか持たないことを言っている。 パトリック・モルトン(英語版) (Patrick Morton) とジョセフ・シルバーマン(英語版) (Joseph Silverman) の Uniform Boundedness Conjectureは、P1(Q) の中の F の前周期的点の数は、F の次数にのみ依存する定数によって境界が決まるという予想である。 より一般的に、F : PN → PN を数体 K 上に定義された少なくとも次数 2 の写像とする。ノースコットの定理は、F が PN(K) 内に有限個の前周期的点しか持たないことを言い、一般化された uniform boundedness conjecture は PN(K) 内の前周期的点の数が、Q 上の F の次数と K の次数および N によってのみ定まる項によって制限されるという予想である。 有理数体 Q 上の二次多項式 Fc(x) = x2 + c に対しても、uniform boundedness conjecture は証明されていない。これが証明されている場合は、Fc(x) が周期 4 の周期点を持たない場合 周期 5 の周期点と周期 6 の周期点の場合である。ただし、周期 6 の結果はバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想を前提としている。ビヨルン・プーネン(英語版) (Bjorn Poonen) は、Fc(x) は 3 より大きい周期の有理的な周期点は持ちえないことを予想した。
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