分子系統学からの新説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:54 UTC 版)
生物分類における従来の形態学的な方法論とは異なる、ゲノム解析によるアプローチを有する分子系統学から、有袋類は、有胎盤類(真獣類)よりも単孔類に近縁であるという説が提唱されている(Marsupionta仮説)。これが本当ならば、獣亜綱は単系統群ではなくなり、分類上の意義を失う。もし、単孔類と有袋類が新しいグループを形成したとするならば、有袋類の胎生と有胎盤類の胎生はそれぞれ別々に獲得した形態か、もしくは単孔類の卵生が先祖帰りのように再獲得した形態ということになる。しかしこれは、塩基組成のバイアスのためともいわれ、この影響を排除した場合、後獣下綱と真獣下綱を単系統とする仮説が支持された。更に、二つの遺伝子に見つかった三つの挿入、欠失という決定的な証拠も提出された。そのため、獣亜綱が単系統群であるのはほぼ完全に証明されたといわれる。
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