凝析と中和の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 05:05 UTC 版)
「シュルツ・ハーディの法則」の記事における「凝析と中和の関係」の解説
シュルツ・ハーディの法則は凝析が単に疎水コロイドの電荷の中和による静電反発力の喪失から起こる訳ではないということを示唆している。これは凝析の原因が中和であるのならば、通常凝析価がイオン価数に反比例すると考えられるからである。 後にこの問題はデリャーギン・ランダウ・フェルウェー・オーバービーク理論により解決された。帯電しているコロイド粒子の周りにはそれと反対電荷を持つイオンが引き寄せられ電気二重層を形成する。コロイド粒子の表面電荷と反対電荷を持つ電解質を加える前は電気二重層が広がっておりコロイド粒子は静電反発力によりファン・デル・ワールス力の働く区域に接近できないため凝析を引き起こさない。しかし、電解質の添加によりコロイド粒子周辺の反対電荷はコロイド粒子に接近し電気二重層が狭まる。この効果は、コロイド帯電電荷の反対電荷且つイオンの価数が大きいほど大きくなる。 従って、コロイドの凝析は電気二重層の厚さの減少に伴いブラウン運動の際により接近し、コロイド粒子間のファン・デル・ワールス力の影響を受け起こるものと考えられている。
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