再生産表式に基づく検証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:29 UTC 版)
「拡大再生産」の記事における「再生産表式に基づく検証」の解説
I部門(生産財生産部門)とII部門(消費財生産部門)に分かれた経済モデルを考える。ここで、cを不変資本、vを可変資本、mを剰余価値として、次のような価値をもった生産物を考え、これに再生産表式を適用する(以下の数値例は、水谷謙治『新経済原論』(有斐閣、1994年)73ページ以下による。再生産表式については、当該項目を参照のこと)。 I 600 = 400 c + 100 v + 100 m {\displaystyle 600=400c+100v+100m} II 300 = 150 c + 75 v + 75 m {\displaystyle 300=150c+75v+75m} ここで蓄積率を50%、剰余価値率を100%とすると、I部門の100mのうち、50mは40c+10vに分けられる。10vは消費財の追加需要をもたらすが、この追加分の生産財はIの剰余価値部分から補填される。II側においても生産財を必要とするが、この追加分もI部門の剰余価値部分から補填される。これらの関係を上式に沿って整理すると、 I 600 = 400 c + 40 c ( m ) + 100 v + 10 v ( m ) + 50 m {\displaystyle 600=400c+40c(m)+100v+10v(m)+50m} II 300 = 150 c + 10 c ( m ) + 75 v + 5 v ( m ) + 60 m {\displaystyle 300=150c+10c(m)+75v+5v(m)+60m} 整理して、 I 600 = 440 c + 110 v + ( 50 m ) {\displaystyle 600=440c+110v+(50m)} II 300 = 160 c + 80 v + ( 60 m ) {\displaystyle 300=160c+80v+(60m)} 剰余価値率は100%であるから、結果として I 660 = 440 c + 110 v + 110 m {\displaystyle 660=440c+110v+110m} II 320 = 160 c + 80 v + 80 m {\displaystyle 320=160c+80v+80m} となる。結果として、 I ( v + m ) > {\displaystyle (v+m)>} II c {\displaystyle c} が再生産の条件となる。
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