兵庫県の豆狸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 20:25 UTC 版)
明治時代の作家・鷲尾三郎によれば、酒造が盛んな兵庫県灘地方では、酒蔵が建ち始めた頃から豆狸が住み慣れるようになり、酒造りの最中に蒸し米を拾いに来たり、酒桶の栓も抜けていないのに中の酒が吹き出るような音をさせて人を脅かしたり、真夜中に大きなたらい状のものを転がす音や雨垂れの音を立てたり、下駄の足音と玄関の戸が開く音を立てて客が来たように人を化かしたりしたという。この地の豆狸はこうした悪戯を好むにもかかわらず、酒造の業者には崇められ、蔵に豆狸が1、2匹はいないと良い酒ができないと言われていた。信楽焼のタヌキの置物の定番の小道具である徳利と帳面は、この豆狸と酒の関連に由来するものと考えられている。
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